この植物は最近になり国内でも沢山の実生苗が流通する様になりました。
実生苗は海外の方が先に成功していて流通する様になりましたが、その反面過湿になりがちな用土を使用する結果、腐敗菌による腐れまたは原因不明な枯死がある為、栽培個体数はある程度あるものの普通に流通し安価とはなっていません。
国内では業者、趣味家問わず高値を維持しようと流通個体数を調節しており、栽培個体数は増える傾向にありますが普及と言われるには至っていません。
前述の通り原因不明の腐りも相まって、入手にはなかなか手を出しにくい状態にあります。
ホワイトスロアネアと言う植物の由来、来歴そして現在に至るまでの様々な事柄は、興味があれば簡単に調べがつきますので調べてみると面白いです。
ここでは割愛しますので、この植物を栽培または入手しようとしている方は、是非調べる事をお勧めします。
いつ誰の手によって発見され、どの様な経緯で栽培され繁殖を経て現在私達の目に触れてる様になったのか。
植物栽培よりも楽しい事かもしれませんよ。
私が種子から栽培した物になりますが、10年程前から栽培してこの実生苗と同時に得た物を含め10本は栽培して来ました。
なかなか気に入った葉姿にならないもので、実生苗も持っているのに他から買い求めたりしましたが、結局のところどの個体も理想にはなりませんでした。
学名のラテン語で crassa とは厚いを意味する名で、他の属から比べて明らかに太い葉を持つ植物で、単頭で双頭になる事は稀で通常ありません。
自生地では大小様々な褐色の礫岩地に擬態する様に自生し、直立してはおらず横に倒れている画像が検索で見つかります。
自然環境での寿命は判りませんが、長期で栽培すると葉の先端が吐出し全体が四角錐になります。
通常四角の稜線が成長点に向いやや窪んでいるのですが、四角の稜線がそのまま滑らかに尖る様になっています。
この様になった個体は一度しか見たことがありませんが、一辺が10cm以上もあるそれはそれは巨大な個体でした。
高さは30cmはあろうかと言ったところです。
高さで凄かったのは接ぎ木をした物で、枝をうった8〜90cmの物ですね。
太さは5〜6cmでしたが、何処までも伸び上がり根元は2〜3本の枝を出していてとても壮観で、アサガオ等をあんどん仕立てにする支柱の中で栽培されていました。
また開花する位の個体では葉の付け根付近の四隅の稜に花座(花芽が着く台座の様なもの)が多数付いて、古い個体程四方の稜線に沿ってビッシリと着きます。
さてここからがお題の腐るです。
画像の通り葉の付け根が大きく抉られています。
先の画像の反対側ですが、ホワイトスロアネアは前触れも無く突然腐るのです。
苗の頃は全くと言って良い程腐ることはないのですが、開花する様になる頃から腐るリスクは大きくなります。
何故なのか未だにわかりませんが、ネット上でも同様な事柄を見つける事が出来る事から、栽培上何か原因かあるのですが、それが何なのか掴みきれていません。
恐らく過湿である事が原因の様なのですが、私はそれとは違う観点から考察中です。
発見した状態が早かったので、腐りが入った所をある程度綺麗にして殺菌剤の散布をしました。
一度散布して、真夏の時期なので直ぐに乾きますから菌が未だ生存していて腐りが進むようなら、また散布します。
出来るだけ回数毎に違う殺菌剤の散布をお勧めします。
今回は何とか腐りが止まり助かりましたが、発見が遅れて茎に腐りが進行すると先ず助かりません。
でも腐りが茎や葉の元部で止まった場合は、キョウチクトウ科の植物体または旧ガガイモ科の植物を台木とした接ぎ木が出来るので、ダメ元で殺菌処理を諦めないのも一つの手ですね。
兎に角未だに高価な植物ですから、簡単に諦めない事が肝要ではないでしょうか。
十分に乾燥してから傷口を保護するトップジンを塗り様子を見ていますが、最低でも毎日様子を確認した方が良い植物の一つです。
多肉植物は2時間前に見た時は何ら問題は無かったのに、全体的に腐りがまわり溶け崩れる寸前だったなんて何度も経験してますから、皆さんもお気を付けて遊ばせ。