昔は通り一辺倒にコノフィツムの栽培には生育期と休眠期があって、水やりと断水と言う様に分けて管理する方法が取られて来た。
それでも管理出来たがそれは多くの園芸交配品にはある程度適応出来て、上手くやってこれたと思う。
しかしよく見てみると、園芸交配種の中でもその交配に関係していると思われる元親の性質を様々受け継いでいる為、水分に対する敏感度は違っている。
この場合言っている敏感度とは何か。
愛好者の方々も春先表皮の下に新しい葉が準備され、古い葉は水分を失い鞘状になった姿を毎回見ていると思う。
その後6月下旬〜7月中旬(栽培条件にもよるが)ともなると、紙の様になった鞘から新葉が既に成長し水分を待っている状態になっているのを見た事があろう。
梅雨時期で断水していても空中湿度が高い場合に、メセンは水分に対して敏感だ。
また湿度とは無関係にその時期に開花する様な物もあるが、やはりその時期の空中湿度はかなり助けになっている様です。
国内が空中湿度の高い時期と言うのはむしろ都合が良い事かもしれない。
逆に同じく水分を与えても反応が鈍い物もあるが、その原因の一つには外気温に起因するのではないかと考えます。
この反応こそが敏感度と言っている事です。
本来なら水分を待っている状態なら水やりを開始して良いはずだが、水やりを開始する為には気温と光量コントロールする必要がある。
夏の陽差しで全天で水やりをすればあっという間に茹だって溶けるのは明白です。
ただ陽差しを必要とするビロブムに代表されるような丈夫な種類は、日除下では締まった良い姿にするのはなかなか難しい。
だから水やりを開始するのは少し気温が下がって、日射も弱まって日除を外した後または外す少し前となる訳です。
昔はその様なサインが出ていても水やりを開始せず、またはさっと水やりをして根が完全に枯死するのを防いだりしながら暑い夏をやり過ごしていた。
全くの断水でも秋まで枯死する事もなく夏を普通に乗り切ってくれるが、その様な管理ではまず栽培出来ない種類がある。
だから栽培が難しいとか維持が難しいと言われるのである。
私が試したもので、具体的にみていこう。


これは原種由来の栽培品で、いつもの草友が都内の何処からか購入して来た物が由来です。
購入時は大分傷んでいたので、その頃に大量に国内に入った自生地採集盗掘品をピート主体の用土に仮植えして養生した物だと推察しました。
根にはピートの塊や繊維が残っていたが、既に細根は皆枯死していました。
その様な状態でしたから私がバラバラにする事を提案し、個別に葉挿しした物を後でチャッカリ頂き3タイプ植えたのがこの鉢です。
先の画像は春先既に断水している状態で、中に新葉があるのが裂葉の裂け目の穴から見る事が出来ます。
後の画像が現在のもので、ゆっくりながら増えているのが判ると思いますが植え付けてから丸4年経過しています。

こちらはルゴスムで欧州からの種子実生で発芽はまあまあでありましたが、他の物は1つ枯れまた一つ枯れと居なくなってしまい残ったのは幾つも有りません。
残った一つがアルビノで陽射しを受けても褐色にはなりません。
ルゴスムのアルビノは一定の割合で発生するので特別なものではありませんが、これも現在の姿です。

更にこれも残りの一つのルゴスムで、既に開花し
これも現在の姿です。
感の良い方は既にお気づきと思いますが、既に水やりを開始しています。
私は未だ休眠までには時間が有りそうな2月の下旬には強制的に断水を開始、その後徐々に陽が強くなって新葉が成長し旧葉は膨らみます。
そうすると4月初めには表皮に張りが無くなり、鞘になって薄く褐色の紙状になります。
ここで剥いでしまう方もいる様ですが、そのまま5月いっぱいまで静かにしています。
6月に入りかなり薄い鞘になり梅雨時期もあって新葉が鞘を破ってしまう事もありますので、そうなったら水やり開始です。
最初は根元に少し、翌日反応があるので2、3日後に今度はたっぷりとやります。
そうなったらあまり乾かしません。
乾かない程度に頭からかけるのでは無く、用土を湿らす様に水やりをやっていきます。
勿論真夏もです、そうして来た結果がこれらの画像の現在です。
この様な栽培のコツを殆どの植物栽培上級者は書かないし、人に教えないのはどうしてでしょうね?
栽培の要を書かないのは大体想像出来きると思うが、皆さんはどう思うかな?
まぁ、
お前がそう言ったからやったのに枯れたとか、
同じ様にしたけど上手くいかなかったから弁償しろとか言ってくるど素人なクレーマーも居るのも事実。
その様に言われる事を警戒しての事かもしれない。
ネットの記事などは半分はウソと言う認識だとすれば、雑誌や書籍にはそうしたリスクを回避した
事しか書かないだろう。
ただこうした人間達は私から言わせれば、むしろあらゆる条件が同一なんてありえないし人と同じ事は出来るはずはないので、その様な人間は自分の頭で考える事が出来ない、考える事を放棄した唯の人間に良く似た生物に過ぎない。

このローディアエの基本種、亜種も同様で休眠期は必要だが限り無く短くし水やりを再開した方が良く、増えたら小まめに分けて葉挿しをする、また新しい用土に植え直すのが良い結果につながります。
その様に海外の著名な方々が書いていますし、私の経験も良い結果なのでそうなんでしょう。
栽培の難しいコノフィツムとは、決して直ぐに枯死するとかそう言う事で難しいのでは有りません。
それが証拠に生育期には適度な水やりで、ローディアエやその亜種、ルゴスム、ヤンギイ等はある程度慣れた愛好者なら何方でも枯死させる事なく栽培出来ると私は考えます。
休眠期は必要ですが、断水期間を出来る限り短くする事で枯死のリスクはかなり減ります。
ローディアエなんかは休眠期毎に細根を枯らす様で、毎回葉挿し状態から始まります。
更にこの枯死した根がある用土だと育ちにくいと海外の方々が書いています。
こんな状態で断水期間が長ければ、流石に水分を保持する事は出来ず、発根するエネルギーも残っておらず枯死してしまいますよね。
特にこれらのコノフィツムを上級栽培者では水やりの多少はあるものの、断水期間を全く持たない方々もおられる様です。
どうでしょう。
私は昔から気に入っている時は王道を行きますが、ある時を境に攻める栽培をする様に心がけていてどの様にしたら良いのか、良い結果が出せるのか、栽培植物を見る時は常に空想している。
少しの情報から限り無く正解に近い結果を見出す為には、思い切った方法やり方を大胆に試すのも必要ではないかと思う。
さぁ、これを見た方々はこの情報からどの様に想像しどの様な結果を見出すのか、そこから先を私が知る事はないが折角の栽培植物を無駄に枯らさない助けになればと思い書いた。
最後に悪口を一つ。
世の中の全ての栽培植物には価値は無い。
有るとするなら、
それは増えて増やしてお金にする事くらいだ。
原種主義の方々は何か勘違いしていると10代のころからずっと思っていた。
原種、純粋さの価値とは?と言う問いに即答出来る方々は一体どの位おられるのか。
園芸交配種、品種、原種由来品であろうと栽培植物である以上価値は無い。
全ては消費であり、それ以上それ以下の何物でもない。
その消費だとしても、園芸交配種、品種、原種由来品であろうと無駄な消費であってはならないと私は思う。
栽培と言う人間の行為は褒められた行為では無いが、無駄とはその人間に生きる力や癒し栽培を通して何か考え感じる事が出来ないなら、それこそただの消費で無駄な事だ。
私の価値観は世の中とかなり乖離(かいり)がある様だが、価値を何処に置くべきか考えてもらいたい。
長くなった。