喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

クラッスラ・コルムナリス 〜 麗人 基本種と亜種の関係を栽培から考察してみた。

Crassula columnaris 、国内でも古くから知られた種で麗人と言う高貴な流通名を持つ物です。 10数年前も基本種が稀に販売される程度の貴重品で、塊根性クラッスラを除いて1、2位を争う高級品でしょう。 私はこのコルムナリスは大好きで、販売されているのを…

Conophytum bilobum ssp. gracilistylum

広義ビロブムは最も分布が広く幾つも亜種、変種があり、厳密に言えばその一帯に自生している個体毎に葉姿は違い、どの個体も実に美しく個性的です。 私はこのビロブムのセクションは一番好みで、子供の頃にホームセンターでリトプスとビロブム(恐らく園芸交…

古い銘品、フォーカリア・白波怒涛

現在も人気なフォーカリアだが、古い物にも良い物があり今でも残っています。 栽培個体は非常に少ないですが、お持ちの方は大切にして出来たら同好会の交換会や販売サイト等に出したりして、国内の栽培個体増量のに努めて頂きたいと思います。 抱えてはあら…

あなたに惹かれる • 4 デンジソウ 埼玉県野生絶滅

デンジソウは元々南方系の植物で水生のシダ植物で、全国で絶滅危惧指定、または絶滅種になっている。 そのデンジソウの存在が古くから知られている場所で埼玉県内唯一の宝泉寺池自生地が、今シーズンをもって消滅する。 平成に入り再度発見されて以降様々な…

あなたに惹かれる・3 ヒメシロアサザ

一期一会と言う言葉は若い頃から好きで、真剣に向き合い謙虚な気持と感謝でこの時この瞬間と向き合う、固有の誰にも邪魔されない、邪魔されることの無い時間の事です。 私は植物に限らず出逢いをそう思ってきたし、実際に殆どがその後その様な機会は無い。 …

彼岸花 〜 国内で近年人気のリコリス

御盆から初秋の花として様々な園芸品種も多く、近年は様々コレクションして畑に植えたり庭に植えたりする方々が増えて、人気のリコリスに就いて少し書いてみようかと思います。 古くから曼珠沙華と言われながら、かたや死人花として長らく縁起の悪い花として…

カキ仔の帝冠で入手したサボテン

帝冠〜オブゴレニア・デネグリイ、一属一種として有名でストロンボカクタス、菊水と共に古くから栽培されています。 この帝冠は以前からいつか栽培してみたいと思っていたサボテンだったが、なかなか手が出なかった。 最近になり実生苗が多く出回り購入の機…

あなたに惹かれる・2 ホシクサ

四半世紀以上前になりますが、 ほしくさを見に行くと言ったら 、 「え〜、なにそれ〜、干し草〜、そんなの見てどうするのぉ〜、どこの牧場にいくの〜?」 嘘のような本当の話をされた事があります。 当時はちょっと足を延せば簡単にホシクサ属植物は見る事が…

コリファンタ・象牙丸で観察した動く雄しべ

シャボテンとして古くから栽培されている物の一つで、流通名象牙丸の名でしたしまれているコリファンタ・エレファンティデンスがあります。 実生から育てると大きくなるまでにはそれなりに時間がかかりますが、斑入り品、棘なし、短棘、大疣等の変り物が出た…

カンザシキリンソウ と ヒメキリンソウ 〜 キリンソウ属 考察・1

はじめに 私はベンケイソ科Crassulaceaeは好きで興味があります。 このベンケイソウ科をウィキペディアで検索していただければ、この科の多様性に驚かされるに違い無いと思います。 直接の有用性は無いものの、多肉植物として栽培されている物が多く、世界的…

メストクレマ・ツベロスム 〜 樹になるメセン・・・ Mestklema属について

メストクレマ属は私が知る限り6種1亜種が記載されているが、流通する物は限られた種類な為実態を掴みにくいものです。 この事とリンクする様に、国内外で個体と種類が違って認識されています。 本当のところは今後の学者の研究結果でないと判りませんが、あ…

あなたに惹かれる・1

トキホコリ 新しいお題をまた立てたいと思いましす。 第1回目は少し変わった生活史を持っていて不思議な植物だが、私は植物に興味を持った頃から何故か惹かれる存在の一つで、大好きな植物です。 このトキホコリが含まれているウワバミソウ属は殆どが湿った…

Conophytum garden hybrid No. 17

園芸コノフィツム覚書き・ No.17 グロボスムの面白さ 今回はタイトルの園芸とは少し違うが、原種と原種由来の個体を比較しながら、同種でもこれだけ違いがあるのかと思わされてしまう程、違いの面白さを紹介したい。 違いの面白さでは、bilobum 以上に面白い…

Conophytum garden hybrid No.18

園芸コノフィツム覚書き・No.18 “ 小槌 ” について 学名wittsteiniiに対応する流通名は複数ありますが、直に思いつくのは “ 雨月” と “ 小槌 ” ですが皆さんはどうでしょうか。 現在はどちらも流通名になってしまったのですが、元々は個体名として各一つ一つ…

センペルビウム・あれこれ 9 Sempervivum etcetra

センペルビウムは好きですが、似た物が多いため品違いや同品異名なものが世界中に散らばってしまい、どうにもならなくなっている気がします。 まぁ、品種を多数もつ植物の宿命でもありますが、センペルビウムのナショナルコレクションや作出された年代、氏名…

これは違うな・2 流通する竜田草について

” それは違うな ” はシリーズで時折私が目撃した間違いを指摘するものです。 人から憎まれたりしそうな事ばかり書いているのですが、それ程間違った情報やそれに附随した物が出回っている状況です。 今回も画像は一切ありませんので、興味の無い方はスルーし…

Conophytum garden hybrid No.15

園芸コノフィツム覚書き・No.15 サマーレッドの正体 園芸コノフィツムに興味を持ってからまぁまぁの時間が経ったが、探れば探る程現代の園芸世界は何事にもいい加減や良い加減が入り乱れ、結果遊びの事だからと真剣さは必要なく適当な世界に成り下がってしま…

Conophytum garden hybrid No.14

園芸コノフィツム 覚書き・No.14 “ 聖火 ” “ 聖火 ” は、信州にあった錦園より発表された交配園芸品で、早咲きでまだ気温が高めな頃にしては赤さがある花を咲かせます。 交配から言えば、紫、桃色系の花色と黄色系の花色を持った個体同士の交配から、赤色系…

センペルビウム・あれこれ 8 Sempervivum et cetera

今回は成長点に異常が起こり線上に果てしなく増えていく綴化(てっか)と言う現象を見てみます。 植物全般にある現象ですが、原因について幾つか考えられているようで、場合によって様々とされています。 綴化と帯化は同じ意味で字の如く成長点が列を成して帯…

ホワイトスロアネア 腐る Whitesloanea crassa

この植物は最近になり国内でも沢山の実生苗が流通する様になりました。 実生苗は海外の方が先に成功していて流通する様になりましたが、その反面過湿になりがちな用土を使用する結果、腐敗菌による腐れまたは原因不明な枯死がある為、栽培個体数はある程度あ…

センペルビウム・あれこれ7 Sempervivum et cetera

今回は “ Red Oddity ” を紹介します。 丈夫でよく増える為に他の物よりよく流通しますが、正体、来歴について不明です。 色々な説がある様で、国内で作出された物や輸入による物、どちらかである事は事実ですが、 決め手に欠けるようです。 作出された場所…

センペルビウム・あれこれ6 Sempervivinm et cetera

今回はカザグルマを意味する “ Whiriligig ” を紹介します。 “ ワーリギッグ ” とカタカナ表記するのが近いと思いますが、出来たらそのままの英名表記をしたいですね。 作出されたのはアメリカで、Shirley Rempel 氏で1976年とされています。 この年号は作出…

センペルビウム・あれこれ5 Sempervivum et cetera

今回も変化葉センペルビウムで最も有名な物だと思います “ Fame montrose ” を見ていきたいと思います。 これぞ “ monstrose ” と言うまでの画像を探しきらなかったので、良い画像ではありませんがとてもセンペルビウムとは言い難い葉姿です。 “ monstrose ”…

センペルビウム・あれこれ 4 Sempervivum et cetera

今回も両者は同じか否かをテーマにしてみたいと思います。 特にセンペルビウムの様な世界中で品種のが作出されていて、互いに似たものが多く品違いが必至な物については禁断なテーマに違いない。 “ Oddity ” と “ 百恵 ” です。 この両方の名前の指す個体は…

センペルビウム・あれこれ 3 Sempervivum et cetera

今回は両者は同じか否かをテーマにしてみたいと思います。 特にセンペルビウムの様な世界中で品種のが作出されていて、互いに似たものが多く品違いが必至な物については禁断なテーマに違いない。 先ずは、“ 栄 ” と “ カルカレウム・モンスト ” を紹介したい…

センペルビウム・あれこれ 2 Sempervivum variegated

センペルビウムは季節でその色合いが全く異なるので、世界に広くファンが多い植物です。 しかし逆に似た物が多く存在するのも確かで、今も世界各地で新たな品種が誕生していますが、やはり似た物ばかりです。 似て非なりなのではありますが、どんな季節でも…

早春植物の美しさ

生き物には幼少期から非常に興味があった為、昆虫から魚類、植物と遍歴はあるものの、気が多くその時の自分の興味に任せて、様々なものに目を向けて来ました。 植物では圧倒的に春に花期を迎える物が多く、所謂早春植物と言われる物は可愛らしく、皆好きな物…

アリオカルプス・連山

アリオカルプス、 面白いサボテンがあった物だと、興味を持ったのはつい最近の事です。 花サボテン程巨大では無いが、開花した時は美しいものです。 種としては決して多くないが、地域変異、個体群などで分けられているので、コレクションされている方は多く…

アガベ・5 ” 氷山 ”

古くは龍舌蘭、リュウゼツランとして国内の広い庭等に植えられて、年月を重ねて開花したりするとニュースになったりしました。その頃はもっぱらアメリカーナ種が中心で、斑入り種等時折見かける程度でしたが、最近は様々な種類を庭木として植栽したり空いた…

これは違うな・1 Sedum hakonense マツノハマンネングサ

この新しいお題の ” それは違うな ” はシリーズで時折私が目撃した間違いを指摘するものです。 人から憎まれたりしそうな事ばかり書いているのですが、それ程間違った情報やそれに附随した物が出回っている状況なんだ! って私は言いたいのです。 だから書き…