喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

Conophytum garden hybrid No.6

園芸コノフィツム覚書き・6 “ 銀世界 ” と “ 雪女 ”

園芸品の大型白花の代表と言えば " 銀世界 " と" 雪女 " だと思います。
これらを含めた交雑により出現した白花品は、偶然に出来る確率はかなり低く貴重な品種です。
これとは別にビロブムの白花品(野生の物、野生由来園芸品のレウカンタム等)は、実生をすると白花が作れます。

一方園芸品は、元をたどれば黄色、濃淡ピンク花を持つ原種を使い累代交雑させて作り出されており、花色の遺伝子は複雑に絡んでいます。
仮にオレンジの花色を持っていても実生をすれば濃淡はあるだろうが、割合は様々に黄色やピンクに分離してしまう。
突然変異が起きなければ、園芸白花品は生まれません。

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本姿の裂葉はキール(あまり明瞭ではない)が線状にに赤く染まり、真上から見ると楕円形でやや薄いが、側面からは丸味のある滑らかさを感じる姿です。
裂葉から下はどっしりとしています。

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中~大型に育ってきたもので、全長は7cm程です。
" 銀世界 " は巨大だと言われることがありますが、私が感じるところそこまで巨大ではないように思います。
むしろ次に紹介する "雪女 " の方が巨大に成長すると思います。

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数年に渡り鉢増しを繰り返した株で、本姿をあらわしたものです。

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裂葉は " 銀世界 " よりやや長く真上から見ると分厚くやや長方形、先端はやや平な感じです。
側面から全体的にみてもに分厚い印象を受け、やや直線的でキールは線状に赤く染まりますが、" 銀世界 " より短い傾向にあります。

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共に未だ本姿を出していない中位のものですが、よく似ているのが判ると思います。
この時の札が落ちてしまうとどちらか判断に迷う程で、" 銀世界 " の方は両方の裂葉の間(谷底、窓がある部分)がやや広い、裂葉は円筒形で斑点(窓)がまばらに出る事が多いです。
" 雪女 " はその様な事はありません。

これらはどの様な由来があるのか、大変興味があります。

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咲き揃うとやはり素晴らしいですが、この位が限度でバラして葉挿しをする時期です。
残念な事に大型の縦長タビ型は、他のタビ型よりも早めにバラしてやらないと調子を崩す事があり、保険を作っておかないと絶えてしまう確率が高いです。

2021・11・8

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上記の物が更に増えて満開に咲き揃ったものです。
そこそこ流通もありますから、
思い切ってどこまでなるか最期に試してみたくなりました。