喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

Conophytum garden hybrid No.8

園芸コノフィツム覚書き・8 “ 雲上の白夜 ”

信州・錦園、恐らく最後の作出発表と思います、" 雲上の白夜 " です。
" 若緑肌カール赤く切込み深い大型黄金色に赤味を重る美花 " とカタログには記載されていて、発売当初から破格の値でした。
販売価格と名前から、愛好家の間では白花と思われていたそうです。

葉の切れ込みは全長の半分まではいかないまでも、深い方で全体の雰囲気は長方形な姿。
幅も裂葉から茎元近くまであまり変わらない印象を持ちます。

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花が無いと他の園芸品との見分けは殆どつかず、開花したらなんとか判る?程度で、札が落ちたらまず判らないでしょう。

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葉挿ししたシーズンの花は根が充実していないため、花が乱れています。
また葉の感じも少し変化していますから、尚更札落ちすると他の物と区別は困難です。

殆どの園芸品は、開花し昼夜で開いたり閉じたりしながら花弁が伸びていくのが普通で、8分咲き位が一番綺麗な状態です。
この " 雲上の白夜 " は、割りと早い段階から花弁の先が揃い長くこの状態を保つ傾向にあると思います。
もちろん、シーズンの天候に多少左右さ れますが、良い花です。

" ウィンザー城に沈む赤い夕日を追ってヒースロー空港を離陸、夜を知らない北欧の雲上は黄金波打つ雲海の世界、果てしなく続く、思い出の出会 (命名) "

とカタログにつづくが、独特の情景と深い思い入れを感じます。
一般に札落ち園芸品の中に似た物がある様に思うかもしれませんが、どうしてどうしてこの様なタビ型で色合いを持った
物は中々無い様に思われます。