喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

Conophytum garden hybrid No.11

園芸コノフィツム覚書き・11 “ 皇太后

広義の意味で色々なタイプが存在するタビ型の代表ビロブムですが、海外でも以前にはタイプ毎に学名が与えられていました。
現在それぞれの学名は同種異名(シノニム名)にされて、ビロブム " 何とか " と言った感じで表されていたりします。
もっともこの " " も外されてビロブムのみで表されている事もある様に、殆どはビロブムのタイプであり内包されることが広く認識されて来ました。

このアングスツム angstum もその一つですが、古く国内に導入されたものは " 皇太后 " で流通されましたが、後に国内実生や輸入の原種由来実生品が多数でてきて、学名angstumで未だに表記されています。
また古く導入されたものは原種由来の実生品であろうかと思われますが、園芸品として扱いますのでアングスツムとなり流通します。

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このangstumに対応した園芸名が " 皇太后 " だったのですが、現在はアングスツムの方で呼ばれる事が多く、" 皇太后 " の園芸名は廃れてしまっています。

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コノハンの記載ではタイプがあり、産毛 肌や光沢肌の物があるようでどちらもアングスツムのようですが、葉の形や肌ではビロブムから分けられないので、やはりビロブムの一タイプにすぎません。
産毛肌のタイプはクリスチャンセアヌムと言われているタイプと連続性があるように思います。
" 皇太后 " と言う園芸名の中には無数の個体がありまた" アングスツム " も同様で、元々個体名(クローン名)ではなく園芸名で大きな総称です。
紹介した画像の個体も " 皇太后 " で入手したものですが、現在の状況を考えると" アングスツム " とした方が良さそうではあります。

2021. 10. 12

やっと見つけました、以前に撮った画像を紹介します。

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大型で気品のあるものですが、花は小さく ” 皇太后 ” と名されたのでは?
と、思いたくなるようなタイプです。