喜右衛門園芸

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センペルビウム・あれこれ6 Sempervivinm et cetera

今回はカザグルマを意味する “ Whiriligig ” を紹介します。

“ ワーリギッグ ” とカタカナ表記するのが近いと思いますが、出来たらそのままの英名表記をしたいですね。

作出されたのはアメリカで、Shirley Rempel 氏で1976年とされています。 

この年号は作出年では無く、公に発表された年と思いますが、まあまあ古いですね。

 

どの様な条件が作用しているのか判りませんが、この品種も様々な顔を見せてくれよく縮れます。

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画像の個体は少しだけ葉が旋回気味に縒れていますが、残念ながらこの旋回も一定の方向になるものではありません。

詳しくは葉の一枚一枚が縮れるまたは曲がる方向は様々なので、結果団子状で見た目は綴化(てっか)の様になります。

実際には綴化の様に成長点が際限無く連なったりする物とは違いますが、それにある意味近くなる事もあるのです。

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この上の画像の物はその傾向が出ていますが、未だ何となく1個体1個体が判ります。

しかし下の画像の物はどうでしょう、

もう何処が個体の芽なのか何なのか判らなくなっています。

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これら綴化的な姿になった後、一体どうなっていくのか観察を続けたいと思いますが、恐らく分けてやらないとランナーを出すこと無く膨れ上がるのみだと思われます。

一般的にこの様なものは、ザクザクと適当に切り分け発根して来るのを待つ方法で増殖させますが、消毒した刃物と切り口を十分に乾燥させないと雑菌により枯死する傾向にあります。

余談ですが、以前に “ Red Oddity monst. ” (レッド・アッディティ 綴化) として販売されているのを見かけた事があります。

“ Red Oddity ” も “ Whiriligig ” と同じ様な綴化状を示す事がありますが、葉の色合いや形状が結構違っていますので、見分けるのは容易と思われます。