今回は成長点に異常が起こり線上に果てしなく増えていく綴化(てっか)と言う現象を見てみます。
植物全般にある現象ですが、原因について幾つか考えられているようで、場合によって様々とされています。
綴化と帯化は同じ意味で字の如く成長点が列を成して帯の様になる、または茎や葉柄が列に癒着して一枚の帯状になった様子からです。
石化は綴化、帯化とは少し違う現象で、遺伝子の異常が原因で引き起こされる奇形です。
綴化は成長点が点では無く線となって何処までも増えていく以外に異常は無く、主に茎、花柄に起こります。
センペルに限って言いますと、
長らく植え替えないで育った時、役目を終えた葉がびっしりと根元にたまっています。
それを取り去ると短いまたは長い茎が現れます。
通常その茎は円筒でその周囲には葉が輪生又は螺旋状にあります。
しかし綴化ではその茎は平たくなっていて先は扇状に時に蛇行した帯状に広がっています。
最近入手した綴化品で、どちらも似たりよったりで現在は小さく見分けはつかないです。
綴化以外にこれと言った特徴もありませんが、まだ小さい為に似ているだけであって欲しいものです。
次の綴化はアルファと言う品種で入手したものですが、入手した時には既に大きく成長し綴化も次の段階に移り変わる直前でした。
間もなく画像の右辺がモリモリしてきました。
それから暫くしてそのモリモリしたところは花茎の綴化だと判り、開花したのが上の画像です。
何かカタツムリみたいな感じになっていて、不気味な姿です。
綴化は成長点が点では無く線となって何処までも増えていく以外に異常は無く、主に茎、花柄に起こります。
センペルに限って言いますと、
長らく植え替えないで育った時、役目を終えた葉がびっしりと根元にたまっています。
それを取り去ると短いまたは長い茎が現れます。
通常その茎は円筒でその周囲には葉が輪生又は螺旋状にあります。
しかし綴化ではその茎は平たくなっていて先は扇状に時に蛇行した帯状に広がっています。
皆さんがよく御存知なのは鶏頭、ケイトウと呼ばれ流通する物でしょう。
近年は小さな種類または品種が入っていますが、身近に綴化現象を観察するのに適しています。
一年草なので種子繁殖ですが、綴化の品種も種子繁殖である為に花は正常と思われますが、詳細に観察すると面白い私はよく見た事はありません。
主軸の綴化が著しい物はもしかすると花は奇形で、主軸の葉腋から伸びた小さな花が正常に結実しているのかもしれません。
花が咲き進んだ頃根元の葉が枯れてきたので、撮影の為取り去った物です。
扇状に広がって葉がついていた痕跡が鱗の様になっていて、葉数の多さが判ります。
また成長点が扇状に広がる前の茎は円筒ですが、葉の痕跡は密でありその頃の姿は丁度最初に紹介した Dusky や Fuzzy Wuzzy の様なすがたであったと思われます。
通常のセンペルは開花するとその茎は枯死するので脇芽が発根して生を繋ぎますが、綴化を繁殖させるには人為的にやるのが一般的です。
幾つかやり方を紹介します。
① 線状に連なった成長線を幾つかのブロックに 切り分け、切り口を乾燥させた後(風通し良 く明るい影で5〜10日)用土に伏せる。
そして発根を待って発根したら用土に差し込み活着を待ち、その頃から少しずつ水遣りをする。
発根してからの置き場は、真夏は遮光下でそれ以外は日向が良いでしょう。
② 線状にある綴化部を残す様に茎から切り取 り切り口を乾燥させた後、①と同様の処置をする。
①、② とは殆変わらないが、ブロックに切り分けた場合のいっぺんに得られる個体数に違いがある。
② は大きな綴化個体を得られ、更に奇妙な綴化を作りたい人向けのやり方です。
しかし多くを切り分けた場合、乾燥の具合や乾燥の過程でその後に発根せず枯死するリスクもある。
特に②の方法では、全てが繋がっている為枯れが入ってしまうと全滅するリスクが高く助からない場合もあるので、オススメはしない。
普通のセンペルも開花すると高芽が花に混じって、または花茎の付け根付近に着く事があります。
画像の様に、綴化ではかなりの数の高芽が着いている事がありますが、このままではやがて枯れますから(種子が出来る出来ない関係なく)、
挿し芽をしない手はありません。
しかし、この高芽を普通に挿して物になる確率は非常に低く、無菌培地にでも挿さない限り個体を得る事は殆ありません。
(花茎元に発生した高芽はその限りではありません)
以上駆け足で紹介しましたが、過去にやった色々な画像がない為、何れこの個体を元にした画像を掲載したいと思います。
2022・9・24
高芽をカットした挿し芽のその後です。
以前やった時には全て全滅してしまいましたので、失敗は繰り返さない為に別な方法を試しました。
お判りでしょうか、
細い根が出ていますね、しかも葉が展開している物もありこれは成功したかも?しれませんが、まだ予断はゆるさない状況です。
カットしてから転がしてその芽が生きる力があるのか否かを見てみます。
生きる力が無いものは、痛んできたり干乾びてしまいます。
あるタイミングで発根が認めら、萎びた葉に正気が戻ってきたらシリンジして様子を見ます。
そうなる前には決して水やり(シリンジする)はしません。
特に湿度のある時植物は敏感に感じとって、生きる力があるものは根を出して水分を得ようと頑張ります。
その前に水やり(シリンジ)をするのは、加湿になり雑菌の温床になり逆に迷惑な事です。
2023・2・28
その後です。
苗は得られたのですが、結果的にはあまり良くありません。
現在綴化した芽は1つしかなく、後は普通の芽の様です。
まぁ高芽は挿す前から普通の芽だから、それが活着したからと言って綴化になる訳はありません。
綴化の部分を切り分けなければ綴化を得られないのだか、開花する前でないとそれを普通に活着させるのは難しい。
一つだけですが残ってくれたので、これをある程度大きくしたらバラバラにして個体数を殖やそうと思います。
また高芽から再生した普通の芽も、ある時期から急に綴化しだしたりする事を期待しながら、栽培を継続してみたいと思います。
2023・4・20
この2ヶ月の間に随分と成長したので、その後です。
綴化個体はもりもりしてきて他の個体も大きくなり脇芽を出す様になってきた為、そろそろ植えかえを考えなくてはなりません。
綴化個体は一つだと思っていたらもう一個体出来た様で良かったです。
注意深くまた鉢を覗いていたら、面白い現象が起きていたので紹介します。
この鉢には花茎に付いた高芽を伏せておきましたが、一つ一つの芽を切り分けるのは手間なのでそのままにした物に当然花が咲いた花茎もありました。
画像はその開花した花の跡に何故か高芽が出現したもので、その高芽の周りに種子鞘がぐるっと一周ある。
なんだろうか?
種子が実っている事はないと思われますが、何とも面白い現象です。