喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

Massonia マッソニア

南アフリカ原産の植物で古くから栽培され、プラントハンターに生涯を捧げたフランシス・マッソンを記念した属名です。
幾つかの種類を除き、簡単に実生出来るのと栽培も楽な種類が多いので、最近人気があります。
しかし海外でも栽培個体は豊富ですが、フィールドワーク、研究も進んでいなかった為に、属全体にどのくらいの種や変種、亜種を含んでいるのか未知でありました。
よって国内でも、現在栽培されている個体でも違う学名、名称で栽培されているものが多数見うけられます。
ここ10年程、フィールドワーク、研究が進み色々な事が判りつつありますが、まだまだ謎が多い植物なのです。
種を見分けるのは葉の性質、花の構造で分けていますが、特に花の構造は一番のポイントになっています。

最近(2014年)に論文が出された物で、解りやすい物を見てみましょう。

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これはジャスミネア種の花(終わりかけ)です。
星形に開いた花弁、芳香(私感ですが、少し青臭い感じの香りで良い香りとはあまり思わない)があります。

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続いて2014年にジャスミネア種から独立種になったアモエナ種です。
花はロート状に長く、そっくり返った花弁でマッソニア属中でも群を抜いて、強い芳香(これはハッキリとジャスミンで強く香ります)を放ちます。

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上がジャスミネア種、下がアモエナ種の葉ですが、葉幅は別にして平滑で薄いのに比べ突起状の凸凹、肉厚で立体的葉。

ここまで違いがある両者を同一にしていたのは驚きだし、生体を観察すれば明らかに別種と解ります。

国内で販売、流通している物も研究の成果が海外から浸透してくれば、後々栽培個体も名称変更せざるを得ないでしょう。

懸念点としては、国内から何だか解らない交雑品が出てくるのは勘弁して欲しいですね。

最近その様な交雑品を見かけました。
" またか! " と言う思いを持ち、植物栽培の先進国である海外から日本人のその様な行動は時にバカにされている。

ハッキリと申し上げます。

葉が3枚とか6枚とか、ストライプ状の斑入りとかなら未だしも、葉は2枚であの形、他に目立った変わりはない。
何を変えようとしているのか解らない
交雑品を見かけました。

マッソニアは交雑する必要性を感じないのは私だけ?でしょうか。

掛け合わせで良い園芸品が生まれる可能性のある植物と、実生選別で園芸的価値のある物が生まれる可能性のある植物を見極める眼を持ってほしいものです。

掛け合わせや実生選別などは誰にでも出来る単純作業で、それをどや顔でやって発表している輩がいます。

それは単なる自己満足や自己肯定を堂々と宣伝していて、自分の能力やセンスの無さを全世界に曝しているに過ぎないと、私は思っています。

堂々と発表して、いいね!をもらって満足している者も、いいね!をしているバカ者共も、同じセンスの無い人間だと気づくべきだよ。