喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

アガベ・2 オカフイ Agave ocahui

アガベには正体が判らないものが多々ありますね。
元をただせば海外からの輸入由来なのですが、その際に間違った情報で認識されたり、当時は学名や園芸名等が付いていたが、その後に札落ちし似ている物と同じ名前で呼ばれたり。

品違いや何だか判らない物になって今日まで来ている物が多いのは、日本の園芸によくある事ですが、その事に海外の目は冷ややかだ。
海外では植物を通称名もありますが学名で扱う事が基本で、輸入された時に横文字の苦手な日本人は覚えられなかった為、それを通称和名(園芸名)に置き換えたんです。
(現在もそれは続いていて、伝統みたいなもの)
その園芸名が漢字、漢字+カタカナ、カタカナであったので、雑筆で書かれたりして誤って伝わっている場合もある。

未だに世界から見た日本は、学名を理解できない愛好家が多い国として見られている事が多いのは残念です。

アガベにもありますが、アガベ・メリコなんて名前を聞いたことがあると思います。
輸出する際に、Agave sp. ex Mexicoだったのに、輸入されて横文字をカタカナにする際に筆記体を読み違えたのではないかと思われます。
未だにメリコを使っているのは、恥ずかしい限りです。

またまた話が脱線していますが、古いアガベを数年前に譲り受けました。
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Agave ocahui です。
これは国内に入ってすでに60年を越えているクローンで、現在この種は基本種と亜種の2つがあります。
変異はあると思いますが、その2つのどちらなのか確証が持てませんが、ssp. longiforiaの方ではないかと思っています。

葉の色が非常に深く、外観は確かにocahui の特徴を備えていますが、未だ小苗なこともあって本姿を出せてない為でしょうが、非常に丈夫です。
なんと言っても低温に強い。地植えを出来るレベルで、マイナス6度問題ないです。
置き場は北側で夏場だけ日がよく当たり、冬場は殆ど日陰の路地です。
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長いランナーを出して増えていきますし、成長も比較的早いのです。
仮にssp.longiforia だとすると、葉の長さが1m近くにまで球体に成長するので、庭のシンボルとして地植えをしたいアガベです。