喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

Conophytum garden hybrid No.9

園芸コノフィツム覚書き・9 “ 聖像 ”

コノフィツム・ハンドブック(コノハン)より分類形態が知られるきっかけになったが、原種、園芸品問わず国内では形を表すのに~型と分類する事があります。
大別すると、タビ型、クラ型、マル型の三すくみになっています。
当然この三つの間には中間的な形もある為~型がありますが、それほど重要な事ではない様に思われます。
あくまでも目安程度になるものです。

また斑点(葉の色とは違い透明感のある小さな窓で、光線をかなり通すもので通常周りより濃いグリーンをしており、大きさも様々)は栽培環境で現れたり消えたりするものと、環境に左右されない斑点とがある。
全く斑点が無いとされる物でも斑点が出る事があります。
斑点があるとか無いとかではなく、どの物でも斑点となる窓はあります。
葉の表面が硬く白緑色をしているものに代表される物は、通常斑点は無い(目立たない、見えない)が、光線が弱い栽培をしたり植物自信が光線をより欲する場合に斑点が現れる事は普通にあります。
これが環境に左右される斑点です。

逆に環境に左右されない斑点とは、斑点目立つものと目立たないもの共に栽培環境(光線の強弱等)にかかわらず、斑点がある(目立つ)斑点が無い(目立たない)物です。
つまり一概に斑点がある無いは品種を分ける材料にはならない、なりにくいのです。

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園芸古来品の " 聖像 " です。
大型でクラ型にタイプ分けされていて、明瞭な斑点が全体的にある姿です。
花は花弁が長く大輪ですが、質が他の物より薄い為か乱れやすく寿命も短い様に思います。

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1枚の葉が40mmに達し四角く分厚い姿です。
また表面は艶が無くグレーが強い色をしていています。

この " 聖像 " が様々な情報によりオリジナルクローンとしていますが、現在別な個体をこの名前で販売又は流通しているのを見かけます。
少なくとも10数年前までは、このクローンが流通していたと思いましたが、
別な個体がどの様な経緯で登場したのか、知りたいところです。

その個体がこの" 聖像 " と似ていない訳ではありません。
明瞭な違いは葉の大きさです。
その似た個体はどんな事をしてもこのクローンの様に大型にはならず、中型の大きさ(30mmに届かない程)止まり、広い楕円形なのです。
果たしてこの " 聖像 " ではない個体は、" 聖像 " に含められた(偶発的に見分けが付かないような別クローン)個体なのか、品違い品で別な名前があったものが
" 聖像 " として流通してしまったのか、気になるところです。

何れにしてもこの個体がオリジナルの " 聖像 " なのです。