喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

Conophytum garden hybrid No.3

園芸コノフィツム覚書き・3 “ 銀河 ” と“ 白雪姫 ”

今回は流通の多い白花園芸品の " 銀河 " と、 流通は今一な " 白雪姫 " に就いてです。
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これは " 銀河 " ですが、あまりよい画像ではありませんが、最も園芸的価値が高い物です。
増殖率も高く群生株に簡単に成りやすい、花着きも良いので一番オススメです。
裂葉の上部は " 銀星殿 " と似て切り型で、キールも時に染まります。
裂葉の長さは、普通(切れ込みは浅くも深くもない)で、裂葉の下に斑点はかなり少数で時に目立たなくなります。
全体的に " 銀星殿 " より細身で斑点も目立たない為、肌もより滑らかに見えます。

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葉の詳細の画像がないのですが、開花時の
" 銀河 " です。このタイプが最も流通する個体です。

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この個体は " 銀河 " で入手したのですが、何年か栽培観察したところ、前のタイプとは別個体です。
これと大変よく似たクローンを、次の
" 白雪姫 " としてるのを見たことがありますが、こうなるともう何が何だか。
今のところこの個体も " 銀河 " 的な感じなので、" 銀河 " として流通したのかもしれないと思っています。

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こちらは " 銀河 " で入手したものですが、
" 銀河 " としては何か違和感があります。
見た感じでは " 銀星殿 " の小さい個体ではないかと思われたのですが、いくら栽培しても " 銀星殿 " の様に大型に育ってくれず、中型の葉数が増えていくのみでした。
こちらも " 銀河 ? " としてしか判らないものの一つです。

次に " 白雪姫 " です。
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こちらは小型の白花園芸品の " 白雪姫 " です。
" 銀河 " ではないのはお解りになると思いますが、どうでしょうか。
裂葉は短め(切れ込みが浅め)、肌は滑らかで裂葉の下に斑点が僅かにあり、時に目立たなくなる場合があります。
また切れ込みの谷には窓がありますが、
" 銀河 " より随分小さいです。

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これも " 白雪姫 " です。
置き場や状態によりキールが染まったり斑点が不明瞭になったりします。
この個体は前の個体と同一クローンであると思われます。

姫と言うに相応しく小型(よく育っても根元から35mm越えないのでは)です。

駆け足でしたが、どうでしょう。
こうしてみると、有名な園芸品にも明らかに品違いもありますが、品違いと言い切れないのも事実です。
個体名(クローン名)だと思っている中に、別なよく似た個体が含まれていることが、判ってきました。
本来なら別な個体名が付いていたのかもしれませんが、何処かで(作出した園芸店も含まれる)誰かが似ていると言うだけで、個体を含めて販売、流通させた結果だと言わざるを得ません。
そうして現在がある事を共通認識とし、余程変わった物でないとクローン名を付けられない事を、解って頂きたく思います。
かつて蒔いて蒔いて、蒔きまくった時代、多様な 形、花色、花型が出ましたが、個性的でどの園芸品にも似ていない物はあまり無いです。