センペルビウムは季節でその色合いが全く異なるので、世界に広くファンが多い植物です。
しかし逆に似た物が多く存在するのも確かで、今も世界各地で新たな品種が誕生していますが、やはり似た物ばかりです。
似て非なりなのではありますが、どんな季節でも見分けがつかない物は、やはり品違いの原因になるものです。
今回は昨年から気になる事がありましたので、書き留めておきたいと思います。
まずは、サクソンとメッテニアヌム錦に就いてです。
相変わらずサクソンとメッテニアヌム錦を同一、若しくは兄弟とかで認識されている事がある様です。
サクソンとメッテニアヌム錦は全くの別な種類のセンペルビウムの斑入り品です。
その事は、斑入りセンペルビウム・あれこれ1の記事で書いていますので参考にしてもらって、実際に一番違いが明瞭な状態を見て頂こうと思います。
見ての通り、春先の冬眠明けが一番判りやすいですね。
サクソンはもう本姿で5cm程にまで成長している個体で、赤い色付きが目立ちます。
メッテニアヌム錦はどう栽培してもこの様にはならず、画像の感じからもう少しピンク色がかった色合いまでです。
斑の性質は、葉の中心線付近にグリーンがあり、そこから葉の縁にかけて白色へのグラデーションになっているので同じですが、葉の質と形状(形、長さ)に違いがある為、見た目の印象は違います。
2022・7・12
春先から初夏にかけて変化をみて頂こうと思います。
サクソンは春先から気温が高くなるに連れ、白っぽかった葉がグリーンが目立つ様になります。
見にくいですが、下の画像の矢印に仔が出ていますが、サクソンの仔の斑は葉縁に極僅かあるのみで、大抵はグリーン一色です。
この事もメッテニアヌム錦との違いです。
時折斑が綺麗に、またはグリーンの葉が少量しかない仔が出る場合がありますが、途中で成長が止まり上手く育たない事が多いです。
メッテニアヌム錦は元々斑とグリーンの部分がハッキリと分かれておらず、季節によるグリーンの変化はサクソン程無い様に思います。
つづいては、ゴールドナゲットです。
私が知ったのは3年位前でしたが、早く国内に入って来ないかと待っていました。
画像は春先の色合いですが、これ程他のどの品種とも似ていない色合いの変化をするセンペルビウムも珍しいと思います。
しかしながら気温が高い時期は比較的グリーンが強く出る為、他の品種と見間違える事が無いとは言えません。
この通り何処にでもありそうなセンペルだと思いませんか?
本物を一度でも手にとって見た事があればその様な事もないでしょうが、見た事がないなら尚更です。
そこにつけ込んだ詐欺紛いな販売が昨年にありましたので、紹介します。
それはヤフオク、メルカリにて確認し、実際に怪しい、またはこれは違うと思いながら導入して検証しました。
幾つかの品種で検証しましたが、どれも結果は全くの別物で故意に品違いな物を販売した事が判りました。
これはメルカリでゴールドナゲットとして4000円で販売された物です。
サイト内では、親の参考画像ではゴールドナゲットの画像でしたが、苗の画像では全く違う雑な画像で、季節で色合いが変わるので現在は色が出ていないと解説されていました。
その個体が上の物で、抜き苗で送られてきた為植付け直後に撮影したものです。
本来ならヤフオク、メルカリでの画像も載せたいのですが問題もあるので、、、、ブログ等では自分が撮影した画像のみを使用しないといけませんからね。
これが現在の様子ですが、似ても似つかないものである事が判りますね。
到着した時に葉腋に仔が居ましたので様子は違いますが、販売されたそのものです。
因みにゴールドナゲットなど大型のセンペルビウムは、かなり成長しないと仔を出さない傾向にあります。
実際初めて知った時から現在まで株になった画像を殆ど見た事は無く、少なくとも販売する個体位で仔は着いていない。
これも一つ特徴です。
作出元に聞いてみたところ、増殖には胴切り、芯止めなどオフセットする方法をとっているとのこと。
やはり仔は着きにくいようなので、色の出ていない時期も一つ見分けるポイントになると思います。
話を戻すと、
私の他にヤフオクやメルカリで購入した方は結構いますから、同じ個体が送られてきていたとしたら同様な状態なのは想像に難くないです。
この品違いの入手後に秋遅く園芸店で多数の個体が正規に販売していたので、1本購入(1000円)したのが、上の画像で左の個体です。
現在は正規品が販売され流通量もありますから、増える物は慌てて飛びつかない事が賢明と言う事ですね。
少しだけ待っていれば大概の物は入手出来ますし、持っている方の棚では増えて困る程増えますから、必ず何処かのタイミングで放出されます。
だから楽しみはずっととって置きながら、日々の園芸を楽しんだら良いと思います。