喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

リトープス 朱唇玉・栽培のヒント

リトープスの中でも非常に目を引くカラスモンタナ種ですが、流通名で朱唇玉やトップレッド等と呼ばれるタイプがあります。

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これは親が非常に良く、コールナンバー(コール博士の集めたコレクションからの種子)の実生を繰り返し、選別固定させた実生苗由来です。

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苗を選んだのは私ですが、実生したのは私ではありません。
4年程前だったか小さな苗から栽培していますが、放任栽培(聞こえは良いがほったらかし、1ヶ月に一回ちらっと水をかける程で、全く見向きもしてなかった)です。

こんなにくっきり赤いのはビックリ!
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もっと大事にした方が良いのか、このままで行こうか迷います。
何故ならその様な状態が凄く良いからで、下手に過保護にした途端具合が悪くなったりするからです。
少し陽当たりが弱いので、丈が高くなっています。

この事からも植物栽培は、こちらがその植物にとって良い環境を提供してあげる事が重要だと解ります。
人から聞いて、または人が書いた文章の通りやるものではありません。

話を元に戻しますと、
個体差(個体の特性、背が高い低いとか)は多少あると思いますが、この様な環境は非常に良い結果をもたらします。
軒下の様な場所で長い時間直射、暑さ寒さにさらされています。
雨から波板で避けていますが、台風や嵐的な豪雨や風を伴う雨はかかります。
メセンの多くは空中湿度には敏感なもので、本当に僅かな水分も取り入れる(栽培下では完全活着が条件)事がで出来ますから、その様な状況を見ながら水管理を考えれば良いと思います。


よく本やネットには、
(これもネットだねぇ~)
栽培管理が書かれていたり、業者が言ったりしていますが、各お宅には当てはまらない事が殆どです。
(各植物の基本的性質以外は)

書いてある事や話で、自分を含めたお宅に何が合致しそうで何がかけ離れているのかを探ります。

自分を含めとしたのは、水を供給するなどのタイミングや管理は栽培者だからで、合致しそうとしたのは同じ管理者や栽培環境は2つと無いからです。

だから各お宅に苗を連れてきた時一番重要なのは、先の栽培環境を知る(そのうち植物体の画像を見ただけで、その環境を想像出来る様になります)事が大事です。

栽培に関しての事をよく聞かれますが、お宅(年間の環境環境)もその方の性質(栽培の仕方や水やり等管理の癖、知識など)も判らないので、答え様に困ります。
挙げ句には、不親切呼ばわりです。

ベテランさんは別だと思いますが、業者などは先人やベテランさんの書いた本等を参考に、またネットで検索した内容で記事や本を書いたりして(この様な事は孫引きと言う)いる事が多いです。
だから過去に間違った情報だったにも関わらず、現在もなおその情報が引き継がれているのです。

自分で情報を仕分ける技量(何が嘘で何が参考になるのかを見分ける目)が必要な訳です。

水やりは使う用土、火山性土(鹿沼、日向、蝦夷等)と砂を主体にピート、バーク、畑土等をブレンドした物では、全く違うので、これも参考にしてみてはいかがでしょうか。

因みにこのリトープスは、山砂、畑土、籾殻燻炭のブレンドです。
配合割合は、水はけの良い感じを探ってもらえば良いかなぁ〜。
(実験あるのみ)

以上栽培のヒントになれば、幸いです。