喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

臥牛の実生

ガステリアの実生は簡単です。
誰でも出来ます。
あることに注意するだけです。
それは出来た苗を一本ずつ植え付ける事が出来るか否かにかかっています。

性質的には他花受粉なので、開花してそのままでは結実しません。
希に何かの原因で結実するかもしれませんが、単体で結実する事が無いのが一般的です。
なので少なくとも別々な2個体が必要になります。
上手く開花時期が合わない等があるため、親の候補を幾つか持っていたいものですが、大体20個近くの花が咲きますから幾つかを受粉する事は可能です。

開花した筒状の花を裂いて雌しべ雄しべをむき出しにします。
そこに別個体の雄しべを取って受粉させれば、これでOKです。
多数の花が下から順番に開花していきますので、これを繰り返すと言うわけです。

方法は簡単ですが重要なのはやはり親選びで、良い親選びをしてどの様な物が出来たら良いかを吟味しないと、時間をかけて育てても駄物しか出来ないです。

沢山の種子が採れますから、気温が比較的高い9月頃なら取り蒔きしても良いです。
3~4日で発芽して10日もすれば小さな苗です。

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これは悪い蒔き方の例で、密に蒔き過ぎです。
こんな状態でこれを1本1本植え直す(一定の間隔を開けて)、若しくは鉢上げを出来る場所と労力が出来ればやってみても大丈夫ですが、それが出来ない場合はやるべきではありません。
種子が沢山取れたからと言って、ぐちゃっとバラ蒔いた素人のやり方です。

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この位に撒いてこのまま数年育てても良いし、この数なら少しずつ移植するのも出来そうな感じがします。
悪い例の様な画像を見ただけで私は嫌気がさしますが、皆さんはどうでしょうか。

最後に良い親の候補として、草友さんの親を紹介しますが、現在この様な斑入りは幾らでもあります。

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この様な斑入りを母親にして、葉幅の広いダルマタイプを掛け合わせれば、葉幅の広いダルマタイプが出る可能性は高くなります。
斑入りはある程度の割合で出ますが、苗のうちはやはり弱くまた望んでいる物はそう簡単には出ません。
また斑入りは普通の青葉に比べて成長速度は半分、だから倍の時間を必要とする様です。
本当の所は親木になるまで育てないと、葉幅やダルマ等の結果は判らない(ある程度は判断が着くが、それもかなり大きくなってこない事には)ので、少なくともそれまでは栽培し続けないとなりません。