喜右衛門園芸

植物栽培、観察、雑学、情報発信

ミセバヤの園芸品 " 島孔雀 "

あらゆる野にある植物を野草と言うなら、私はその殆どに対して興味がわきます。
その興味には若干の偏りないし興味の強弱、好きか嫌いかがあるのは否定しません。
やはり興味の強い植物のグループは、何かある度調べたりしながら何時もそれなりに関わって来ました。

私にとって野草ではなく栽培植物であったミセバヤですが、時代と共にその仲間の新しい種類や変種が各地で見つかり、その度に興味が出て調べたりする程度です。
観察してみると、そのミセバヤにも栽培品の中にもかなりのタイプ(色々な個体)が存在し(海外園芸品や国内の変種、園芸品は除く)、見てると面白いです。
葉の輪郭が赤いもの、鋸歯状になっているもの、大柄、小型等あります。
その中でもこの獅子葉のタイプは一見して引き込まれました。

f:id:S-kiemon:20210319063250p:plain
これまでにも獅子葉の物はありましたが、これ程強く出るものでは無かった様に思います。
早速購入して持ち主(徳島県在住)に由来等を伺ったところ、園芸名は未だないとの事でした。
また流通もしていないとの事でしたが、その後同一の個体と思われる物が幾つか販売されている物を見ました。
持ち主に確認したところその様な事は無いはずと言われていましたが、私以外に2人の方に譲渡した事実もありますので、そこからの物だと思われます。

f:id:S-kiemon:20210319065444p:plain
" 島孔雀 " と 海外園芸品 と比較した画像ですが、私はこの様に優れた園芸品が葉の形状(獅子葉)のみで、園芸名が無い事が残念に思ったので持ち主に園芸名をつけてはどうかと打診しました。
しかし持ち主は遠慮されたので、持ち主の許可と同意のもと私がつけさせて頂いたのが、" 島孔雀 " (2020・5月) です。

もとは小豆島寒霞渓の自生が知られているミセバヤですから、ピッタリなネーミングだと思っていますがどうでしょう。

春の芽出しがまた素晴らしく気に入っている園芸品です。
ミセバヤの園芸品は割りと大柄な物が多く、集散花序の具合も半円から球体と様々です。
最近は専門にコレクション、探究される方々もおられますから、更なる優れた園芸品が誕生することを期待します。

増殖にあたっては、丈夫でよく増えるしどんな増殖方法でも可能です。
葉挿し、枝挿し、根伏せ(私はやったことはありませんが)。
どの場合も刃物を使用する際は、殺菌消毒に心がける必要があります。
例の多肉にある病気(褐色の点状又は赤褐色の点、班状)があります。

(2021・3末日)
芽だしから時間が経って葉の形状が確認出来る様になってきましたので、画像を追加します。

f:id:S-kiemon:20210331075045p:plain